宗田節とは?そうだがつおが持つ旨味を活かした使い分けやだしの取り方

宗田節

「宗田節」を使い、“旨いだし”を取るためにどんな選び方がいいんだろうか。

この記事では宗田節の特徴、種類について、用途による使い分けから削りぶしの選び方・だし取りの手順まで、お悩みを解消するためにお話していきます。


1.宗田節(そうだぶし)

宗田節になるさかなは「そうだがつお」です。

「めじか」ともよばれています。そうだがつおの目と口が近いことからその呼び名が生まれました。その姿からもかつおと違いがあり、区別されています。

1-1 宗田節とは

宗田節とは、「そうだがつお」から作られた節のことです。だし取り用としておすすめの節です。

「かつお節」とは違い、同じかつおの仲間ですが「そうだがつお」と「かつお」に区別されています。

「かつお」は南方赤道あたりまで漁に行き、一年を通じて漁獲されますが「そうだがつお」は日本近海で漁獲される回遊魚で、時期によって魚質に違いがあるさかなです。

① そうだがつおとかつおの違い

そうだがつおはかつおと比べて血合い肉が多いさかなです。この違いが宗田節になった時、濃く、深みのあるだしの要素となり、だし向けといわれる大きな理由です。

そうだかつお(めじか:目近)   
かつお

そうだがつおは日本沿岸を回遊していて、特に関東圏より南の海域が多いとされています。質が良いさかなは脂肪分が低いのですが、水揚げする時期により高まることがあります。

その時期の特徴を説明します。

②そうだがつおの漁期   

1月~4月 寒めじか:脂肪分が低く、質のよいさかなで、上質な“だし”として価格も高価で取引されます。
5月頃 春めじか:脂肪分が高めになり、“だし”にコクが出始める時期で、厚削り用に比較的安価で取引されます。
6月~7月 梅雨めじか:産卵を終えて、脂肪分が抜けたさかなで、だしは薄め。うす削り用で取引されます。     
8月~9月 笹めじか:笹の葉状の小型のさかなで、この時期のものは上質で、荒節としてうす削り用になります。
10月~12月 秋めじか:この時期から脂肪分が高めになり、厚削り用として荒節、枯れ節のだし向けになります。               

このように、時期の特徴から宗田節の等級が区別され、安価なものから高価なもの、また後にお話しますが、「かび付け」をした枯れ宗田節もつくられ、全国へ出荷されます。

③宗田節の旨み

宗田節はだし取り用におすすめであるとお話ししましたが、その理由はだしの旨み成分が多いことです。

アミノ酸も多く含まれていて、だし成分の比較をしてみますと、旨み成分のひとつであるタウリンはかつお節の約3倍あります。これは少し甘みを感じるものであり、だしの濃さ、コクにもつながる成分です。

アミノ酸分析の一例

 

土佐清水鰹節水産加工業協同組合 データ参照

④宗田節の産地

そうだがつおは主に四国沖で漁獲される回遊魚で、高知県の土佐清水が有名です。その水揚げ、宗田節づくりの一大産地であり、宗田節なら土佐清水なんです。


2.用途による宗田節の種類と使い分け

宗田節が活躍できるのはだし取り用です。その理由はそうだがつおに血合い肉が多く、これがだしの濃さにつながる理由です。さらに種類として、荒節(あらぶし)と枯れ節(かれぶし)に分けられます。

2-1 宗田節には荒節(あらぶし)と枯れ節(かれぶし)がある

宗田節は地域の違いで用途による使い分けがあります。だし用として活躍するための荒節と枯れ節があり、これはその地域の“つゆの文化”の違い、醤油の違いによることからもわかります。

では、その荒節と枯れ節を説明していきます。

荒節(あらぶし)   
枯れ節(かれぶし)

① 荒節(あらぶし)

かび付けをしない荒節は熱と煙でいぶしを繰り返しながら水分を蒸発させてつくられたものです。

この作業により節を固めていき、脂肪分の少ない、上質なそうだがつおが完成します。その用途は強い香り、風味を重視するきしめん、うどん用の澄んだだし向けがおすすめです。

荒節の詳細は「荒節とは?日本で一番使われている鰹節の一種「荒節」を徹底解説」に掲載しています。

② 枯れ節(かれぶし)

枯れ節とは、荒節にかび付けをして節を枯らしていくことです。(枯らすとは、水分を抜くことです)

だしの濁りの原因である脂肪分を減少させ、保存性をあげるための方法です。その用途は濃いだし、コクのあるだし、濃い口醤油に負けないそばだしにおすすめです。

補足説明ですが、良質とされるそうだがつおにかび付けをしないわけではありません。原料の等級分けでその価値と品質の最上級が必要とされることもありますので同じように枯れ節をつくりますが、価格を比較した場合、高価な枯れ節となります。

このように、宗田節には「荒節」と「枯れ節」の2種類の節があり、その地域性の違いで使い分けをしています。

枯れ節の詳細は「本枯れ節とは?荒本節との違いや本枯れ節ができるまでの全てを解説」に掲載しています。

2-2 用途による宗田節削りの使い方

宗田節が活躍できるのはだし取りと説明しました。では、このだし取りをするための選び方ですが、それは厚削りです。厚削りは宗田節を瞬時に削ってくれますので、粉ものの発生を少なくできます。

粉ものが多い場合はだし取りの後、厚削りとだしを濾し分ける時に目詰まりしてしまうことがあります。

しっかり澄みきっただしを取るためにも粉ものは邪魔になるわけでして、厚削りがおすすめです。

 ① 荒節の厚削り

きしめん、うどん用のだしがおすすめです。荒節は強い香り、コクのあるだしが特徴であるため、うす口醤油で仕上げた清澄感のあるつゆにはアクの出ない上質な厚削りで仕上げることが大事だからです。

先に、関東と関西のだしの文化の違いに触れましたが、それはこのだしの傾向の違いに影響を与えるお醤油の違いがあるからです。また、上質の宗田節ならではのだしのコクがあり、アクが出ない、濁らないこともその理由です。

 

② 枯れ節(かび付け)の厚削り

枯れ節は関東圏のお蕎麦のだしがおすすめです。それは濃口醤油がつかわれていることが理由のひとつです。

関東では、つゆをつくるためには欠かせない“かえし”があります。このかえしに負けないための濃厚な“だし”が必要になるわけです。荒節とは違う適度な脂肪分で、コクと濃厚さが強いだしになるからです。

醤油の違い、地域の使い分けを説明しましたが荒節と枯れ節の比較を強弱でたとえますと荒節はだし感がやさしいという表現になります。

かび付けされた宗田節は特徴のある“だし”が取れます。この特徴とは少し“えぐみ”が感じられる“だし”です。しかしながら、この“えぐみ”はマイナスに働くものではなく、だしを強調することになります。

このような違いが宗田節を使い分けする理由です。


3.おすすめのだしの取り方

ここではおすすめの配合比とだしの取り方についてお話しいたします。

かつお節とさば節の厚削りを混合することで“だし”が生きてきます。他厚削りと混合することでお互いの特長が重なり、さらに深みのあるだしになって完成するわけです。

おすすめの配合は以下の通りです。

  • かび付宗田厚削り40%
  • かつお厚削り30%
  • さば厚削り30%

3種を混合した時の「混合厚削り」のだしイメージです。

この配合は、かつお厚削りの香りとうま味(おいしさ)をだしの基本にして、かび付宗田厚削りでだしを強調させ、さば厚削りのコクと甘みでだし全体のカドを取り、まとめる。3種厚削りの特徴、良さを生かすための配合比です。

では、この混合厚削りを使って、おいしく効果的にだしを取る手順を説明します。

3-1 混合厚削りと備品の準備

例えば寸胴、または鍋に20リットルの水が入るのであれば、混合した厚削りは1kgをお使いください。

水の量に対して、削りぶしの割合は5%です。濃いめのだしを取ることをおすすめします。それがおいしさの条件でもあります。

3-2 鍋に水をはり、沸騰させる

        

水を20リットルいれ、沸騰させます。

火力は全開で、沸騰させてください。沸騰してから時間が立ちますと蒸発して、水の量と削り節のバランスが崩れますのでご注意ください。

3-3 混合削りを投入

混合削り(枯れそうだ厚削り、かつお厚削り、さば厚削り)

沸騰したら、混合削りを1kg投入します。一旦沸騰がおさまります。その後また沸騰してきますので、そのタイミングで火力を絞り、微沸騰にします。少し鍋底から気泡が沸く程度です。沸騰させてはだしのバランスが崩れてしまいます。ここは目が離せないポイントです。

3-4 だしを煮出す

  

削りぶしを投入後、アクが出始めます。

こまめにアク取りをします。だしを取るための大事なポイントです。

この状態を約20分続けます。短すぎては削りぶしから旨み成分が出てこない、長すぎては旨み成分のバランスが崩れ、また蒸発してだしの量が減ってしまうからです。ここでアクが生じることがありますので、すくい取りして、ていねいにだしと向き合う時間です。

3-5 だしの煮出し もうひと仕上げ

 

20分たちましたら、一旦火を止め、約5分静止させます。

これは、更に削りぶしから旨み成分を抜く時間です。じわりと染み出てきます。

3-6 だしを濾す

 

削り節が沈んでいますので、上澄みをすくい、ろ過します。

だしと削りぶしを濾しわけてください。削りぶしが鍋の底に沈んでいます。

ゆっくりと、上澄みから流し出してろ過してください。

これで混合だしの完成です。

この混合だしが醤油の旨みと重なり、深い味わいになるわけです。


4.まとめ

宗田節の用途はだし取りです。その種類は荒節と枯れ節、その特徴も使用するシーンで使い分けすることをおすすめしました。また、宗田節をさらに活かすための混合削りの使用にも触れ、大事な要素でもあるわけで、非常に奥深い味わいを出すことができる天然調味料です。

宗田節の持つ“だしのちから”を活用いただき、さらに“だし”を追求するお手伝いになればと思います。

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