料理上手は知っている。料理酒とみりんの使い分け

和食のレシピに欠かせない基本的な調味料は醤油やみそ。その他に「料理酒」や「みりん」があります。おいしい和食を作るにはこの「料理酒」や「みりん」を使い分けが大切なのです。「料理酒」と「みりん」の共通点はアルコールとアミノ酸によるうま味を含んでいること。

「料理酒」や「みりん」はおみそやしょうゆと違い、はっきりと味を付ける調味料ではありません。

しかし、含まれる糖分の違いなどでその使い方は大きな違いがあります。上手に使えば和食の隠し味としていつもの料理がワンランクアップ間違いなし。

なお、ここでの「料理酒」は清酒(日本酒)を指します。塩分を含んでいる「料理酒」は手軽に買えますが、仕上がりに大きな違いが出てしまいますので、日本酒を使いましょう。

みりんにも「みりん風調味料」「みりんタイプ調味料」があります。ポイントはアルコールと塩分、糖度の違いです。

簡単に説明すると

種類 品名 原料 特徴
日本酒
うるち米 米こうじ 飲用できる
料理酒 うるち米 食塩 クエン酸 他 塩分を含んでいる
みりん みりん もち米 米麹 アルコール

もともとは飲用目的       現在は調味料が主体    

みりん風調味料 うるち米 酸味料 他 アルコールをほとんど含まない  糖度が高い
みりんタイプ調味料 うるち米 食塩 アルコールを含むが、食塩も含む

伝統的な方法でつくられた調味料が間違いなく料理をおいしくしてくれます。

特徴をつかんで、おいしい料理を作りましょう。


1.食材を「酒」は柔らかく、「みりん」は柔らかく

料理酒とみりんの大きな違いは

料理酒が素材を柔らかくするのに対し、

みりんは素材を引き締めることです。

 

料理酒(日本酒)

みりん

材 料

うるち米、麹(コウジ)

もち米、麹(コウジ)、焼酎 

わずかに甘みを感じる

はっきりと甘い

目的

含まれるアルコール分が臭みを取る

コクやうま味が生まれる

素材を柔らかくする

味がしみこみやすい

素材を引きしめる

仕上がりに照りが生まれる。

 

1-1 料理酒(日本酒)→ うま味が加わり、素材の生臭みを取る

 酒は米と米麹からつくられます。発酵醸造させることにより、私たちが日常食している「うるち米」に含まれているでんぷんがアルコールに、たんぱく質がアミノ酸としてうま味を作り出しています。

また、カルボニル化合物や有機酸によって魚の生臭いにおいであるアミン類と反応して、一部が不揮発性になり、さらに酒類のにおい成分がマスキング効果を発揮します。

米文化の和食と相性がよく、味にまろやかさとうま味をプラスしてくれます。

1-2 みりん→ 最大の特徴は穏やかな甘み

 料理酒がうるち米からつくられるのに対して「みりん」はもち米から作られます。歴史は料理酒より浅く、戦国時代末期、中国大陸から琉球(今の沖縄)をへて伝来されたといわれています。

 

最大の特徴は成分の40~60%の糖分です。しかし砂糖の甘みが「ショ糖」のみに対し、みりんはブドウ糖など数種の糖分を含んでいるので、やさしく深い味わいの甘さとなっています。調理中のアミノ酸と糖類とで起こる反応によって料理に美しい照りをや艶をうみだします。魚の照り焼きなどには欠かせません。

また、アルコールを含んでいるので生臭さを取る効果も期待できます。

 


2.「料理酒」と「みりん」の使い方

「料理酒」が効果的に使われる料理は「煮魚」や「汁物」

「みりん」は「野菜の煮物」「照り焼き」です。

2-1 料理酒 *魚の生臭みを消す作用

素材の臭みを消す作用の強い「料理酒」は煮魚などに最適です。また、素材を柔らかくする作用を活かして、お肉を漬け込んで柔らかなでき上がりにしたり、味がよくしみ込んだ料理ができます。

また、はっきりとした具体性にある味がないので汁物や茶わん蒸しなど素材のうま味の邪魔をしません。

2-2 みりん *甘みと煮くずれ防止

みりんの強みはやわらかな甘さにあります。味に深みととうま味をプラスしてくれます。

煮くずれ防止は最初 テリを付けたい料理は最後に最後に

素材を引き締める効果があるのでカボチャやジャガイモなど煮くずれしやすい材料には最初から入れましょう。みりんがいちばん威力を発揮するのは「照り焼き」です。材料にある程度火が通ったらみりんを加えて煮詰めましょう。


3.「料理酒」と「みりん」を代用する。

「料理酒」と「みりん」の大きな違いは含まれている糖分です。

加える砂糖を加減することにより、代用は可能です。

3-1「みりん」がなければ「酒」+「砂糖」

照り焼きを作りたいのに「みりん」が無い場合は、料理酒に「砂糖」を加えて煮詰めます。味わいは若干変わりますが、「つや」はでます。また、酒のアルコールが魚などの臭みを取り除く効果は同様です。

 

3-2「みりん」しかない…砂糖を使うレシピならOK

「料理酒」の代用は煮物など砂糖を加える料理には使えます。

ただし、その分砂糖を控えることを忘れないでください。料理にコクを加える意味では良いかもしれません。砂糖を使わないレシピには残念ですが、つかえません。たとえば、アサリの酒蒸しにみりんを使うと甘みが強すぎますね。

最初にお伝えしましたが、ここでいう「料理酒」はあくまでも日本酒のことです。

値段が安く、塩分や添加物が加えられた「料理酒」ではありません。料理には「純米酒」と書かれた日本酒を使ってください。

よくいう「ワンカップ」

一番わかりやすい料理に使っていただきたい日本酒です。

みりんは和食の板前さんがおすすめする「本みりん」を紹介します。

東京農業大学で醸造学を学んだ杜氏が作る「飛鳥山」:

杉井酒造 電話: 054-641-0606

伝統的な製法でつくられた「飛鳥山」はもち米が麹の力で溶かされて生じる自然の甘みとうま味が凝縮されています。

 

 

 

 

「料理酒」と「みりん」は和食に絶対必要な調味料ではありません。しかしコクやうま味のある料理作りにはかかせません。日常的に料理酒やみりんを入れた料理に慣れている人にとってこれらがないとボケた味に感じられます。

料理酒とみりんの効果を理解して料理上手になりましょう。

 

無料Ebookプレゼント

家庭でも実践できる!
うま味が凝縮された
美味しい和食料理を作るための全知識

「もっと美味しい和食を作りたいけど、
なかなかコツが掴めない」と
悩まれていませんか?

和食は繊細な味付けが肝となりますが、そのコツがわからないと悩まれる方は驚くほど多いものです。

特に日本人である以上は美味しい和食を当たり前のように作れるようになりたいと思いますよね。

本冊子では、かつお節の専門家として長く和食に携わってきた私たちが、全ての日本人に知っていただきたいと考える

  • うま味を7〜8倍に引き上げる食材の組み合わせ
  • 素材のうま味を最大限引き出すだしの取り方
  • 「花かつお」と「かつお厚削り」の取り入れ方の違い
  • 誰でも実践できる温かみある和食特有の味付けのコツ

など、美味しい和食を作るための全知識を35ページに渡ってわかりやすくまとめました。
ぜひ、本冊子の知識をもとに美味しい和食を作ってみてください!