鰹節職人が元板前から聞いただし専用鰹節の選び方と旨いだしの作り方

鰹節だし

「う~ん、本当に美味しいだしはどうやってとるのだろう。 今以上に料理にこだわりたいし、美味しいだしを作りたいけど、上手に作れるポイントがイマイチわからない…」

だしは鰹節を鍋に入れて・・・お湯で3分程度・・・

ここでは、ご家庭で可能な限り「こだわって『だし』を取ってみたい」、そんなあなたの為に、だし取り専用の鰹節の選び方を最初にお伝えし、その後に、選んだ鰹節からどのようにして「美味しいだし」をとっていくのか? 鰹節職人が日本料理に携わった元板前から聞いただしの香りの出具合や、濁り具合を説明しながら、こだわった美味しい出汁の取り方を説明していきます。

ぜひ読んでみてください。

1だし用鰹節の選び方

だし専用に選ぶ鰹節は、「『遠赤外線使用』厚削り」と「薄削り」の2つです。もしかしたら今までは1つしか選ばなかったかも知れませんが、本当に美味しいだしにこだわりたい場合、鰹節は二種類選びます。なぜこの二種類なのか、これから説明いたします。

1-1 「厚削り」と「薄削り」の良い所どりをする

厚削りは10~15分ほど煮だす為、鰹節に含まれている「魚の旨み」が、お湯のほうに全て移り、だしを取った時に美味しく感じる事ができます。一方、薄削りの方は瞬間的に火を止める為、鰹節を削った削り節の表面の香りが先に出汁に移り、だしを取った時に「香り」を楽しむ事ができます。

よって最初に厚削りで魚の旨みを楽しむ為のだしを取り、その後に薄削りを「追い鰹」として使用する事により、出汁に香りを付け加え旨みと香りを両方併せ持つだしを作ります。

だしの表
だしの表

『遠赤外線使用』厚削り」「薄削り」2種類の鰹節が必要となるのです。

厚削り 魚の旨み重視
厚削り 魚の旨み重視
薄削り 香り重視
薄削り 香り重視

 

1-1-1「『遠赤外線使用』厚削り」の特徴

厚削りは、可能なら『遠赤外線使用』の厚削りを選んでください。こちらの鰹節の方が臭みが出る可能性が低いからです。

遠赤外線の表示

 

鰹節は、生の鰹の頭と内臓の部分を切り取り、肉質部分のみを煮て、焙燻(ばいかん)と呼ばれる工程で、下から火の煙によって燻(いぶ)されます。

鰹を煮るところ
鰹を煮るところ

 

煙は肉質部分の表面に当たり、表面部分の水分が飛んでいきます。その後、1日ほど放置しますと、中心部分の水分が外側に移動します。次の日、また焙燻(ばいかん)を行い、節の外側部分の水分が飛んでいきます。また1日ほど放置して、中心部分の水分が外側に移動します。この作業を12~15回ほど4週間程度繰り返す事により、中の水分が抜けていく事で鰹節は堅くなります。

燻す薪
燻す薪
鰹節を燻すところ
鰹節を燻すところ

 

しかしながら、煙が当たる箇所は、凹凸があり、鰹節の表面に均一に当たらず、どうしても水分が幾らか残る事もあります。この水分を取りのぞく事を目的として、焙燻(ばいかん)の回数を通常の回数より増やしますと、水分と同時に魚の旨みも抜けてしまい、出汁が美味しくなくなります。

逆に旨みを残そうとして、焙燻(ばいかん)の回数を1~2回減らしますと、旨みは残りますが、少しだけ水分が多いままとなり、水分に魚特有の臭みが残り、だしを取った時に美味しさを感じられなくなる場合があるのです。

そこで鰹節職人は、一度鰹節を完成させた後、削る直前に「遠赤外線」で鰹節を焙り、中の水分を飛ばしてから削るのです。これにより、より美味しいだしを味わう事ができます。

遠赤外線に入れるところ
遠赤外線に入れるところ
削られた瞬間

以上の事から、ぜひご家庭で購入する際は「『遠赤外線使用』厚削り」をお勧めします。

 

1-1-2 「薄削り」の特徴

薄削りには、鰹節をそのまま削っただけの「削り節」を選んでください。

そのまま削っただけの薄削り
そのまま削っただけの薄削り

 

薄削りには鰹節をそのまま削った「削り節」と、削り節を細かくした「削り節 破砕(はさい)」と呼ばれるものと、更に細かくした「削り節 粉砕(ふんさい)」というものがあります。

破砕や粉砕は削り節を細かくして、お好み焼きや焼きそばなどにふりかける時に使用します。細かくなった分、だしを取った際には「濁り」が発生する場合があるのです。

削り節 破砕(はさい)
削り節 破砕(はさい)
削り節 粉砕(ふんさい)
削り節 粉砕(ふんさい)

 

ですので、必ず薄削りはそのまま削った「削り節」を選んでください。

1-2「だし」にした時の「枯節」と「荒節」の鰹節の違い

鰹節には、カビの付いていない「荒節」と優良カビが付いている「枯節」があります。だしにした時、どんな違いがあるのでしょうか?

枯節と荒節では見た目はこれだけちがう

 

1-2-1 枯節のだし、荒節のだし、どちらが料理にあうか。

時々「どの料理に、どちらの出汁が合いますか?」というお問い合わせをいただきますが、どの料理にも、枯節から取った出汁、荒節から取った出汁の両方が合います。それぞれが個人の好みとなり、料理人の代表である、板前さんの方でもそれぞれ使い方が違いますので、自信を持って決めてください。それでも・・・という方の為に、一覧表で我々がお勧めするだしをまとめましたので、参考にしてみてください。どちらか一方が使えるという事ではなく、あえてお勧めする場合という形でつくってあります。

枯節と荒節のだしの用途一覧表
枯節と荒節のだしの用途一覧表

 

1-2-2 荒節の説明

「荒節」で取った場合の出汁は、魚の旨みが濃厚です。また出汁の色は比較的濃く、香りは控えめです。これは鰹節に含まれる旨みとして感じる脂肪が枯節よりも多いからです。「荒節」が削られた物を購入する場合は、「枯節」と違いがわからない事がありますので、裏表示ラベルで「かつお削りぶし」「かつおのふし」を目印としてください。

鰹節の荒節を削った物
鰹節の荒節を削った物
荒節の裏表示
荒節の裏表示

1-2-3 枯節の説明

「枯節」でだしを取った場合、上品な味わいで色は澄んでおり、香りが立ちます。「枯節」は「荒節」に優良カビを付けて、カビが脂肪を分解させ旨みを上品な味わいと香りに変えます。

「枯節」を削られた物を購入する場合は、裏表示ラベルで「かつおぶし削りぶし」か「かつおのかれぶし」を目印としてください。

枯節を削った物
枯節を削った物
枯節の裏表示
枯節の裏表示

2だしの取り方

この章ではだしの取り方を説明していきますが、「だしは弱火で取る」という事を一番大切にしてください。これはとても大事な事です。今回は追い鰹を説明しますので、最初に取っただしは再び温め直す事も場合によってはありえます。

もしかしたら、再び温め直す事が悪いように思われるかも知れませんが、料理を作る最中で、最初のだしが少しさめる事はあっても、冷蔵庫に入れたように冷たくなるわけではありません。また温め直せばよいのです。その時に「弱火で『温め直す』」ことで、味も香りも飛ぶ事はありません。

実際に板前の方でも、料理の盛り付けや支度を考えた場合、予めだしを取っている事もあり、むしろ家庭で出汁を取る時の方が、作ってから味わうまでに時間が短い事があるのです。プロでさえ作り置きをする場合がありますので、安心してください。

1回目のだしを取る時も、再び温める時も「弱火でだしを取る」という事を忘れずにいてください。

 

2-1 厚削りでだしを取る

それでは今回は、「高野豆腐の煮物」を作る流れの中で、出汁を2回取ってみたいと思います。 

2-1-1 水1リットルを沸騰させる

鍋にお水を入れて沸騰させます。「水だけで出汁は取れますか?」という質問を時々いただきますが、臭みだけが表に出てきます。熱を加える事により、旨みが出てきます。沸騰具合は、気泡がグラグラではなく、弱火で沸かしてポコポコ出てくる感じが丁度良いです。

2-1-2 厚削りを入れる

40gですと、概ね5~8枚ぐらいだと思いますが、手で添えるように入れてください。厚削りですが、細かい物は出汁が濁るばかりでなく、臭みも出やすくなりますので、出来れば大きい物を選んでください。

また沢山取りたいと考え、少し余分に入れる気持ちが出るかもしれませんが、厚削りは自分が考えているよりは、少な目の量で構いません。例えば厚削りを袋の中から5枚取り出し、35gだとします。6枚目を追加して45gになるなら、割って40gにするか、35gのままで問題ありません。厚削りは薄削りよりも沢山だしが出ます。濃すぎると、酸味を感じ「酸っぱく」なってしまいます。

厚削りを入れたら、水面より下に沈ませてください。一度入れたら触らず、火を強くして沸騰させて躍らせる事もしないでください。鰹節が冷凍庫又は冷蔵庫から取り出した瞬間は冷たく、そのまま投入しますと、お湯の温度が下がる事を想定して、瞬間的に強火にかける方がおります。火加減を変えないようにするため、鰹節は予め常温に出しておくことをお勧めします。

厚削りを入れる
厚削りを入れる

2-1-3 10分ほど弱火でだし取りをする

鰹節を入れてから数分しますと、お湯の中に「あく」が出てくるかもしれません。その時には、お玉などで取り除いてください。この10分間で鰹節から旨みを全部取り出すというイメージです。20分、30分と長時間出汁を取ると、余計な臭みが出てきてしまいます。

あくをとる
あくをとる

2-1-4 火を止めて直ぐに移し替える

10分経過後、火を止めて直ぐに出汁を移し替えてください。そのまま残しておくと止めてから臭みが移り、細かい鰹節の粉が苦みに繋がります。

だしを直ぐに移し替える

取り出したばかりのだしです。概ね1リットルで6~8割ぐらい取れますが、今回は760ccほど取れました。

取れた直後のだし
取れた直後のだし

2-1-5 残った削り節は?

だしを取り切った残った鰹節の厚削りについて、「佃煮などに使えますか?」という質問をお受けする事もありますが、今までの説明でお判りのように、旨みは全て出汁に移っていますので、そのまま処分してください。

だしがら
だしがら

2-2 高野豆腐の煮物を作る

2-2-1 豆腐を戻す

高野豆腐は60度くらいのお湯で戻しておくのですが、その際、絞って中の水気を切ってください。水分があるままだと、水が出汁と混ざり薄まってしまいます。

戻した高野豆腐
戻した高野豆腐

 

2-2-2 鍋の中にだしと調味料を入れ温める

微沸騰でゆっくりとわかしてください。

だしに調味料を入れる
だしに調味料を入れる

 

2-2-3 豆腐を入れる

1で戻しておいた豆腐を入れてください。

高野豆腐を入れる
高野豆腐を入れる

2-2-4 薄削りで追い鰹をする

今回は5gの薄削りを不織布の中に入れました。不織布はスーパーで販売しているものです。その後7分程度煮込み、味の確認をして完成です。

削り節の入った不織布を入れる
削り節の入った不織布を入れる
寝かしたところ
寝かしたところ
蓋を置く
蓋を置く

完成です。薄削りのだしと香りが染み渡っています。

完成したところ
完成したところ

2-3 薄削りで追い鰹をする理由

追い鰹をする理由は主に2つあります。

2-3-1 香り付けをする

最初に説明したように、厚削りは魚の旨みをだしに十分に行きわたらせる事ができますが、香りに関してはどうしても薄削りに軍配が上がります。この時、薄削りで追い鰹をすると、香りが出汁に移り、旨さと香りの両方を味わう事ができるのです。

2-3-2 だし感が弱まるのを防ぐ

今回の豆腐や根菜をだしで炊く場合、根菜の水分が煮汁に溶け出し、だし感が弱まってしまいます。また、だしを取った後の再加熱で、時間を急ぐあまり中火などで行ってしまいますと、だしの香りが弱まる事も有りえます。このような場合、だしの味や香りを補うために使用するのが、追い鰹です。

 

3各料理のだし量から見た鰹節の必要数量

だしを使う料理のだしの使用量を一覧表でまとめてみました。参考にしてみてください。

だしを使う料理一覧表

だしの使用量一覧表
だしの使用量一覧表

4だしの歴史

日本人は主に鰹節と昆布からだしを取ってきました。大昔、日本人は鰹節の原型である「堅魚」と呼ばれる、現在の鰹節より柔らかいものを食していました。その時から鰹に含まれる美味しさと、タンパク質を含む栄養分を経験的にとらえ、堅魚を重宝し、献上品と成ったり、税の代わりとして納められてきました。

しかしながらあえて出汁を取る為に堅魚を使っていたのではありませんでした。江戸時代中期、商業が発展する中で、力を付けた商人達が全国に流通網を発展させていくと同時に、商人の中で料理を楽しむことが、1つのたしなみや趣味となっていきました。このような中、最初に昆布が流通し、だしを取る為に使われ始めました。

その後、鰹漁の発展の中で大きな鰹が取られるようになりました。そして堅魚のままだと腐ってしまい、流通しにくいので、その結果としてより鰹節が堅くなり現在の鰹節が作り上げられ、全国に流通しました。この頃には、「花かつお」という言葉も見られるようになりました。

料理の上に鰹節が削られたものがふりかけられていく中、とりわけそばやうどんなど、お湯を使う料理と共に使われた時、花かつおが浸み込み、だしとして使用されてきたのかもしれません。また昆布と共に一緒に出汁を取れば、より美味しさが増す事も発見したのかもしれません。

いずれにしても鰹節のだしは江戸時代に発展し、地域の食材や料理に合わせただしの使われ方をされるようになったのです。

「鰹節 上巻・下巻」参照 社団法人 日本鰹節協会 宮下 章 著

5まとめ

鰹節のだしは、日本人と日本料理にとっては切っても切れない関係です。ここでは、だしの取り方、使い方を改めて説明しました。だしは、皆さんが思っているよりも簡単に取れるものです。ぜひご家庭でも美味しいだしを取り、美味しい料理を堪能してみてください。

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