亀節とは?鰹節や男節・女節との違いを仕入れ担当が徹底解説【写真付き】

亀節

亀節(かめぶし)という言葉を聞いたことがありますか?
亀から作った節を言うのでは無く、亀節は鰹節の一種です。普段の生活の中で亀節という言葉を耳にすることはありません。亀節は、鰹節専門店や、乾物専門店等で販売されていることがあります。

なぜこのような形で製造しているのでしょうか?使い方は普段目にする鰹節と違うのか?亀節がどのような物かを作り方から説明していきます。

1. 亀節とは

亀節とは、亀の甲羅の形に似た鰹節の事を言います。簡単に言うと3枚に卸した鰹で作った鰹節です。楕円形の様な形になり、鰹節の特性でもあるカチカチに堅くなるところから、亀の甲羅とかけて「亀節」と言います。

普段皆さんが見ているのは、この亀節を背中と腹の部分で割った形状の鰹節になります。 

亀節には「亀節の本枯(カビ付亀節)」と「亀節の荒節(カビを付けていない亀節)」があります。「亀節の本枯」は、手間と時間がかかるので、今では市場に回る事がほとんどありません。ここでは、亀節の荒節(カビを付けていない亀節)を中心にご説明していきます。

亀節(荒節)
亀節(荒節)
荒本節(一般的な鰹節の形状)
荒本節(一般的な鰹節の形状)

1-1.亀節と鰹節(4割にした鰹節)との違い

一般的な鰹節は、3枚卸で作られた亀節を更に背中部と腹部を割った状態で作られます。背中の部分を男節(おぶし)、腹の部分を女節(めぶし)と言います。

男節は脂が少なく、ダシを取った時に濁らず、すっきりとしたダシがとれます。女節は、男節と比較して脂が多く、旨味がありますが、削ると粉っぽくなることがあります。ダシを取るには男節、削って食べるなら女節が向いています。  

 

亀節(荒節)

 

亀節を割ると

亀節を雄節(背中部分)と雌節(腹部分)で分けると一般的な4つ割の鰹節の状態になる

 亀節を雄節(背中部分)と雌節(腹部分)で分けると一般的な4つ割の鰹節の状態になる

一般的に削られて販売されている「花かつお」等は、男節と女節が混ざった状態で売られています。鰹節そのものを購入される場合は、用途に合わせて男節、女節を使い分けるとより美味しく鰹節をご利用できます。

亀節を削ると下の写真の様に男節(背中部)と女節(腹部)がくっついています。 

亀節を削った状態
亀節を削った状態

4つ割にした鰹節は真ん中の血合を中心に男節(背中部)と女節(腹部)が分かれています。 

4つ割にした鰹節の雄節・雌節
4つ割にした鰹節の雄節・雌節

亀節と4つ割の鰹節の一番の違いは、男節と女節がくっついているので、男節と女節が一緒に削れるか、それぞれ削れるかになります。

1-2. 亀節が作られる理由

亀節は、男節と女節がくっついた状態の物です。どうして亀節の形で鰹節を作るのでしょう?

①.小さい鰹での亀節の製造

亀節にされる理由の一番は、小さいサイズの鰹を亀節にします。大きいサイズは、「荒本節」「本節」等の4つ割の鰹節になります。
鰹節のサイズを下の表に記します。サイズによる、向いている鰹節加工を〇△×で表します。

生の鰹のサイズ呼称 サイズ 本節・荒節 亀節
4.5上(かみ) 1匹当たり4.5㎏以上 ×
2.5上 1匹当たり2.5㎏以上4.5㎏未満 ×
1.8上 1匹当たり1.8㎏以上2.5㎏未満 ×
1.8下 1匹当たり1.8㎏未満
1.0下 1匹当たり1.0㎏未満 ×
0.5下 1匹当たり0.5㎏未満 ×

亀節は、4つ割の鰹節と比べると、男節と女節がくっついている為、製品の大きさが2倍近くになります。大きいサイズの鰹は、燻製にする時に鰹の芯まで水分が飛びにくいので、亀節にはしません。

また、大きいサイズの鰹から作る亀節は、削りにくい為需要もありません。手で削る場合でも持ちにくく、業務用として機械で削る場合でも、大きすぎて機械につっかえてしまうので、大きい鰹は亀節には向いていません。

 

上から4番目までは500下・5番目が1.0下・6番目が2.5上の女節、男節の組み合わせ上から4番目までは500下・5番目が1.0下・6番目が2.5上の女節、男節の組み合わせ

上記の写真の様に、鰹節と一言で言っても色々なサイズがあります。魚のサイズに合わせた鰹節の製造をします。

小さいサイズの鰹は、同じ量(重さ)を処理するのに、手間がかかります。100㎏の鰹を処理するのに、2.5上のサイズですと、約40匹の鰹ですが、1.0下のサイズは、約100匹以上を処理する事になります。

鰹節にする処理は、匹数ではなく、重量で管理しますので、小さい魚を処理すると製造側にとっては、同じ量をこなすのに時間が大幅にかかってしまいます。

亀節は一般的な4つ割の鰹節に比べ、半身を割る作業が無くなりますので、製造効率は良くなります。その為、亀節は4つ割の鰹節と比較して、価格が安くなる傾向にあります。

②.亀節の使われ方

この小さい鰹から製造した亀節は、どの様に使われるのでしょう?

鰹節は粉末にしてダシパック用にする製品もあります。亀節は、ダシパック用の粉末に向いている鰹節です。小さい鰹節は、脂が少ない傾向にあります(漁獲される時期にもよります)。脂が少ないと綺麗な粒の鰹節粉末になります。脂が多い鰹節は粉末にすると、ふわふわした綿毛の状態になり鰹節粉末に向いていません。
 
鰹節の粉砕は機械で行いますが、大きい鰹節より、小さい亀節の方が、機械に負担がかからず効率的に粉砕をすることが出来ます。
 
粉末にする鰹節は、形にこだわらず、魚の脂が少なく、魚体が小さい物が使いやすいので、小さい鰹で作った亀節が好まれます。亀節の需要があり、鰹のサイズが小さい物を効率よく製造出来る為、亀節が製造されています。

2.亀節の作り方

亀節の作り方は、鰹節の作り方と基本的には一緒です。亀節が出来るまでを解説いたします。 

2-1.水揚げ

鰹節になる鰹は主に、赤道付近の中部太平洋の島国の海域で漁獲します。オーストラリアの北東に位置します。冷凍の状態で日本まで運ばれてきます。

冷凍鰹の水揚げ
冷凍鰹の水揚げ

2-2.解凍

鰹節の製造する前の日から水槽に付け、解凍します。

2-3.生切り

先ず鰹の頭を切り落とし、ハラモの部分を切り落とします。背びれを切り落とし、3枚卸にします。半身2枚と骨に分かれます。
 
一般的な4つ割の鰹節は、この後半身を更に背中部分と腹部分に割ります。ここが亀節と一般的な鰹節との違いになります。

鰹を3枚に卸す
鰹を3枚に卸す
3枚に卸された鰹をセイロに並べる
3枚に卸された鰹をセイロに並べる

2-4.煮熟(しゃじゅく)

鰹を煮る工程になります。重ねられたセイロごと、釜の中で鰹を煮ます。各社煮る時間は95℃以上で1時間~2時間以上煮ます。大きい魚は煮る時間が長く、小さい魚は煮る時間が短くなります。

鰹を煮る事により、煮沸殺菌を行い、腐敗を抑制すると同時に、たんぱく質を凝固させ、この後の燻製工程で乾燥させやすくします。

釜で鰹を煮る
釜で鰹を煮る
煮られた鰹
煮られた鰹

2-5.骨抜き

煮熟された鰹を骨抜きします。ボイルされた鰹は身が崩れやすいので、丁寧に扱います。毛抜きの様な器具でヒレ、皮、骨を取り除いていきます。

骨とヒレ、皮をむいた鰹(亀節状態)
骨とヒレ、皮をむいた鰹(亀節状態)
骨とヒレ、皮をむいた鰹(4つ割状態)
骨とヒレ、皮をむいた鰹(4つ割状態)

2-6.焙乾(ばいかん)

鰹節を燻製にしていく工程になります。薪を燃やし、熱と煙をボイルされた鰹にあて、水分を飛ばしながら、煙の薫を鰹に付けていきます。乾燥庫で燻製を続けると鰹の表面の水分ばかり飛んで、鰹の中心の水分が飛ばない為、6~8時間乾燥庫で熱と煙をあてたら、乾燥庫から出して放熱させます。

これをあん蒸(あんじょう)と言います。こうする事により、鰹の中心の水分が表面に移動して、鰹全体の水分が均一になります。乾燥庫とあん蒸(あんじょう)を繰り返し、4週間~1ヶ月ほどで亀節の出来上がりです。

薪を燃やして煙と熱をあてる
薪を燃やして煙と熱をあてる

2-7.完成

亀節の完成です。この工程の後に表面のタール分を削りカビを付ける事で、枯亀節になります。

亀節(荒節)
亀節(荒節)
亀節(本枯節)
亀節(本枯節)

3.亀節の活用方法

亀節と4つ割にされた鰹節は、基本的に一緒です。男節と女節が分かれていないだけです。亀節の方が血合の周辺が残っている為、若干コクがあると言われていますが、ほぼ一緒です。鰹節を削り節の状態ではなく、姿売りにする場合は鰹節自体の形も重視されますので、亀節の状態で、販売されることはあまりなく、目にする機会も減ってきています。

鰹節を節の状態で購入される場合、男節と女節がバラバラで販売されている事が多いので、男節、女節で悩む時に、亀節を購入するのも面白いかもしれません。男節と女節が両方ついているので、男節側と、女節側の削りの味を比べてみたり、ダシを男節で削って、冷奴に女節を削って食べる等、使い分けが出来る良さがあります。 

4.まとめ

亀節とは、男節(背中部分)と女節(腹部分)がくっついている亀の甲羅に似た鰹節です。一般的な鰹節は1匹から4本の鰹節が出来、亀節は1匹から2本の鰹節が出来ます。
 
亀節の状態で、小売り用に並ぶ事はほとんどありません。男節、女節がまとめて使える良さがありますので、見かける事がありましたら、是非亀節をお試しください。

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