日本で一番使われている鰹節の荒節とは、一体どんな鰹節?

荒節

鰹節の中でも代表的な「荒節」。しかしながら一般的には流通しておらず、家庭で目にするものはカビが付いた「枯節」と呼ばれるものです。

「荒節」は日本の食卓には無くてはならないものですが、節として販売されているものではないので、実際にはあまり目にする機会もなく、具体的にどのようなものなのかわかりにくいでしょう。

今回は、鰹節の生産地である、静岡県の焼津市と鹿児島の枕崎市の鰹節会社に行き、荒節について調べてみました。読み終える頃には荒節の事を多く知る事ができ、今後は親近感を感じながら使う事ができるかもしれません。ぜひ読んでみてください。

1 荒節とは何か?

荒節とは「あらぶし」と読み、鰹節の種類の1つです。業界では「アラ」と呼ぶ事もあります。鰹節の種類は主に2つに分かれており、カビが付いていない物を「荒節」、カビが付いている物を「カビ付け」と言い分けています。

もうすぐ完成する荒節
もうすぐ完成する荒節
カビが付いた鰹節
カビが付いた鰹節

 

1-1 どうして黒いのか

荒節は表面に燻煙(くんえん)した時のタール分が付着して黒くなっています。荒節を作る過程で、ナラやクヌギや桜という木材を使い煙を興し、この煙を鰹の身の表面に燻(いぶ)す、燻煙(くんえん)という工程があります。

鰹のサイズにもよりますが、一番高い温度で120度ほどで、6~8時間ほど行い1~2日寝かします。この工程を最終的に12~15回ほど繰り返します。その過が、回数を重ねる事にタールが重ねられ、身が収縮していく間に表面も堅くなり、真っ黒になっていくのです。その際、タールの匂いも鰹の身に付着しながら、鰹節独特の濃厚かつ芳醇な香りが出来上がります。この香りの成分は70種類以上あると言われ、全てが解明させていません。

ナラやクヌギなどの薪
ナラやクヌギなどの薪
煙で燻されている所
煙で燻されている所

黒い部分は表面だけですので、削りますと中は脂が少なければ美しいピンク色になり、脂肪が少なければ茶色、脂肪が多ければ茶色~黄色になります。

脂肪が少なくピンク色
脂肪が少なくピンク色
脂肪が多い茶色~黄色
脂肪が多い茶色~黄色

この荒節を削った物が通称「花かつお」と呼ばれ、一般に市販品として流通しております。

スーパーの棚の花かつお製品
スーパーの棚の花かつお製品

 

 

1-2 大きさはどれくらいの物があるのか

荒節のサイズは様々です。荒節を作る鰹のサイズにより大きさが決定されます。荒節にする鰹のサイズは、1.8kg以下/、1.8~2.4kg以内/、2.5~4.4kg以内/、4.5kg以上の4つに分かれます。この際、外国産の一部では、1.8kg以下のものでそれ以上に小さい物は、1kg以下の物でサイズ分けをされる事もあります。国内での鰹節向きの鰹の水揚げ港は静岡県の焼津市、鹿児島の枕崎市、山川市であり、上記のサイズに分けられた形で水揚げされ、そのまま荒節のサイズ分けに当てはまります。

 

1-2-1 鰹のサイズが1kg以下

鰹の一匹のサイズが小さく500g程度の物は通称「丸」又は「丸鰹」とも呼ばれ、頭を取り、場合によっては内臓を含んだまま鰹節になります。このサイズの物は、主に海外産の鰹節に多く見られます。
海外産の鰹節に使用される鰹は、船が日本船の物より小型の為、遠洋に出る事が少なく近海でとる為、鰹のサイズが小さくなる事もあります。一方日本産の鰹節になる鰹は遠洋で取る為、
外国産に使用される鰹よりは大型の傾向があります。

小さい鰹から出来た荒節
小さい鰹から出来た荒節

 

 

1-2-2 鰹のサイズが1.8kg以下

こちらが、鰹のサイズが1.8kg以下の荒節と削った花かつおです。削った時の花かつおが小さいため、花かつおで使用されるよりは、より細かく粉砕(ふんさい)されパウダー状にして、食品に練り込まれたりします。

1.8kg以下の荒節
1.8kg以下の荒節
1.8kg以下の削り
1.8kg以下の削り

 

 

1-2-3 鰹のサイズが1.8~2.4kg以内

こちらは鰹のサイズが1.8~2.4kg以内の物です。花かつおとして一般に流通しているサイズの物になります。程よく脂も乗っており、トッピングとして使用されたり、出汁取り用として使用される標準的なサイズです。

1.8kg~2.4kg上の荒節
1.8kg~2.4kg上の荒節
1.8kg~2.4kgの削り
1.8kg~2.4kgの削り

1-2-4 鰹のサイズが2.5~4.4kg以内

こちらは鰹のサイズが2.5~4.4kg以内の物です。花かつおとしては形が大きく、見た目が美しい為、場面によっては業務用に使用され、厨房等などに収められます。脂も程よく乗っており、サイズとしては50~65センチ程度の3年魚ぐらいが、これに当てはまります。

 

2.5kg~4.4kgの荒節
2.5kg~4.4kgの荒節
2.5kg~4.4kgの削り
2.5kg~4.4kgの削り

 

1-2-5 鰹のサイズが4.5kg以上

こちらは鰹のサイズが4.5kg以上の物です。このような大きなサイズの物は、一般市販品として流通する事がほとんどなく、特別にこだわった料理を提供するような料亭などで使用され、流通は少量です。またこのサイズの物は元来、カビを表面に付けて「枯節」(かれぶし)と呼ばれる鰹節に成る為の物が多いです。

 

4.5kg以上の荒節
4.5kg以上の荒節
4.5kg以上の削り
4.5kg以上の削り
サイズ別に削った花かつお
サイズ別に削った花かつお

 

 

以上がサイズ分けによる荒節の紹介となりますが、サイズによって自然と脂の載り具合が変わります。1kg以下の物ですと脂肪分が少なく淡泊な傾向となり、1.8kg以上の物から、4.5kg程度の物までが概ね脂の乗り具合がよく美味しく味わえます。

1-3 荒節の流通量はどれくらいあるか?

国内での荒節の流通量はどれくらいあるのでしょうか? 荒節とカビ付けの鰹節の両方合わせた国内の生産数量としては、2014年で29,649t、2015年で27,612tです。荒節とカビ付けの正確な割合は解りませんが、ほとんどが荒節として流通していますので、ほぼ数字通りの流通量になると思われます。

これに輸入節が2014年で4,117t、2015年が3,818tとなります。輸入節は全て荒節ですので、正確な数字となります。驚かれるかもしれませんが、荒節には国内産と外国産があります。

 

1-4 国内産と外国産の違いとは?

国内の荒節と外国産の荒節には、主に2つ違いがあります。

1-4-1 鰹の魚質 

国産の荒節になる鰹は、脂肪が少し多めです。海外旋網船と呼ばれる大型船で赤道付近で取られる鰹を使用されます。こちらは網を推進200mぐらいまで入れますので、比較的脂肪の多い鰹が漁獲されます。一方外国産の荒節に成る鰹は船が小さい為近海で取れる鰹が多く浅い温度の高い海で獲れる為、比較的脂肪が少ないとされています。

1-4-2 薪の香り

薪の香りにも特徴の違いがあります。国内の荒節の燻煙する時の薪はサクラ・ナラ・クヌギですが、少し重く粘り気のある香りがします。外国の薪は日本から海外に運ばれた物もありますが、少し軽い香りがします。これは薪が作られる風土の違いからくるものとされています。

1-5 国内の3大生産地

国内の3大生産地は、鹿児島の枕崎市、山川市、静岡県の焼津市となっており、日本の99%の鰹節を生産しております。以前は全国津々浦々に荒節を作る鰹節工場が有りました。現在では鰹節の原料となる鰹は遠洋漁業による赤道付近で取られた鰹で作られますが、こちらの鰹は旋網船と呼ばれる、大型の船で取る事になり、入港できる港が限られる事と、1回の航海で800~1000t程度の鰹と鮪を漁獲してくる為、この数量を処理できる生産地は限られ、現在は3都市のみとなっております。

 

旋網船
旋網船
水揚げ風景
水揚げ風景

 

1-6 海外の生産地

海外の主な生産地は、フィリピン、インドネシア、モルジブ、ベトナム、台湾などがあります。フィリピン、インドネシア、モルジブでは通年で製造しておりますが、ベトナム、台湾などは時期とタイミングで製造され、また国内流通も大変少ないです。フィリピン、インドネシア、台湾などを含む、グアムやサイパン、パラオなどの東南アジアには、戦前に移民した日本人が現地で鰹節を製造し、日本に出荷する形を取っていたため、その名残として現在も生産地として荒節を製造している箇所も有れば、改めて日本の法人が現地で鰹節会社や工場を立ち上げたり、現地の資金の豊富な企業と連携しながら、鰹節製造に携わる場面もあります。
条件としては、豊富な資金が有る事と、近くで鰹が獲れるという事、労働者が集まりやすいという3つの条件が必要です。

 

海外の港
海外の港
戦前のパラオの製造場面
戦前のパラオの製造場面

 

 

1-7 荒節と枯節の違い

鰹節の中には、荒節の他にカビを付けた「枯節」(かれぶし)と呼ばれるものが有ります。荒節の中でサイズが大きい物に、カビを付けたものです。荒節は色は黒く、枯節は色がカビが付いているので薄茶色です。味の違いとして荒節は鰹の味が強く、枯節は上品です。また出汁にしてみますと、荒節の出汁は色が濃く出汁感が強く、枯節の出汁は色が上品で出汁感も少し薄く香りがあります。

荒節と枯節の特徴

2 荒節の上手な使い方と食べ方

荒節の上手な使い方と食べ方を説明していきます。荒節は節そのもので一般流通する事はほとんどありません。よって削られた「花かつお」又は花かつおをより細かくした「破砕」と呼ばれるものが、パック品として流通しているのが一般的です。

2-1 食べる

直接食べる、又はトッピング用に使用する際の「花かつお」と「破砕」の選び方です。

2-1-1 花かつお

花かつおを食べる場合、スーパーなどで購入する時は、裏ラベルで「かつお削りぶし」を選んだください。市販品は袋をじっくり見ればわかりますが、先ほど説明しました荒節のサイズによって、削られた花かつおの大きさに違いが出ます。袋の表や裏ラベルには荒節のサイズまでは書いていませんので、お店でじっくりと見比べてください。トッピングの用途としては、お好み焼き・焼きそばなどが最適です。

また花かつおは2~3g程度の小袋パックの袋では販売しておりません。食べきりサイズでの購入はできませんが、一度開封しますと風味が飛んでいきますので、開封後は袋の空気を抜いて冷凍保管をしてください。

 

かつお削りぶしのラベル
かつお削りぶしのラベル

2-1-2 破砕

通常パック品から100g程度の袋の商品がスーパーに並んでいます。花かつおと形状は違いますが、裏ラベルは花かつおと同じ「かつお削り節」です。花かつおを切り刻みより細かくなっていますので、ほうれん草のお浸しや、納豆などと混ぜ合わせるのが最適です。

破砕機の機械の中に刃が有る
破砕機の機械の中に刃が有る
機械の中で花かつおが細かくされる
機械の中で花かつおが細かくされる
完成品
完成品

 

2-2 荒節 出汁

次に荒節を出汁用として使用する際の特徴について説明いたします。

2-2-1 薄削り

荒節の薄削りを出汁用に使用する場合、出汁に鰹の旨みが移るとともに、香りを楽しむ事ができます。その為、出汁を取る時には、香りを飛ばさない為に、長時間火にかけません。
薄削りで出汁をとった場合、香りと共に充分に旨みを味わえると思いますが、より出汁に力強さや旨みを味わいたい場合は次に紹介する厚削りをお勧めいたします。薄削りでの美味しいだしの取り方はこちらから

薄削りで出汁を取るところ
薄削りで出汁を取るところ

2-2-2 厚削り

厚削りは厚く削っている分、出汁が出るのに時間がかかりますが、旨みが出汁に移ります。特にお蕎麦などの出汁には最適です。この時「遠赤外線」と書かれている厚削りの製品を購入してください。堅い鰹節と言えども、僅かながらの水分が残っている事があり、出汁に臭みを残す可能性が考えられます。「遠赤外線」は、鰹節を削る前に熱くすることにより中の水分を飛ばした後に削る事により、旨みのみを閉じ込めており、出汁専用にお勧めの厚削りです。

遠赤外線の表記
遠赤外線の表記
厚削りで出汁を取るところ
厚削りで出汁を取るところ

3 荒節 作り方

鰹節職人は荒節をどうやって作っているのでしょうか。説明して行きたいと思います。

3-1 港

港でどのような方法で荒節となる鰹が購入されるのでしょうか。 

3-1-1 鰹を見極める。

巻き網された鰹は、セリにかけられますが、鰹節職人は鰹節の背中側の部分の背脂の載り具合と、鰹の大きさと太り具合を見極めます。

背脂を確認
背脂を確認

3-1-2 鰹を購入する

セリは先程説明したサイズ事に行われます。セリの場所は静岡県の焼津市、鹿児島の枕崎市、山川市の3か所あり、凡そ2~5日に1回程度です。毎日続く事もあれば、1週間休む事もあります。
  

焼津港のセリの最中
焼津港のセリの最中

3-2 解凍する

 購入された鰹は「カン」と呼ばれる鉄籠に入り、市内の冷凍庫に運ばれ、マイナス30度くらいで保管されています。使用する前日辺りに出してきて、前日に日中放置しておきます。解凍時に水を使用しますが、鰹自体が冷たすぎて水が凍ってしまう為、鰹の温度が上がるまで自然解凍です。その後に鰹節屋ごとに解凍方法は変わり、ある鰹節屋は水槽の中で水をエアーで循環させながら解凍しますし、別の鰹節屋は上から水を放水しながら解凍します。

水槽の中で解凍していきますと、血水となりますので定期的に水を抜き、再度新しい水を入れるなど各社工夫すると共に、夏と冬では外気温が違いますので、その時間も変わります。解凍具合は水槽の中の鰹の沈み具合です。冷凍時に鰹は膨張していますが、解凍後は収縮する為、水槽の中では鰹が沈んでいくのです。魚の魚質によっては解凍後に鮮度が落ちてぐったりとヘタりますので、これは経験がものをいう作業です。

カンに入っている冷凍鰹
カンに入っている冷凍鰹
解凍後の鰹
解凍後の鰹

3-3 生切り

鰹を切っていくことを「なまきり」と言います。
 

3-3-1 頭切り

鰹を切っていきます。以前は鰹節は姿と形を重んじていた為、職人が鰹を1本1本手で切っておりましたが、現在、荒節になる鰹節のほとんどは「ヘッドカッター」と呼ばれる丸ノコギリをそのまま使用した機械で切られる、大量生産方式が主流となってきました。

包丁でしたら、上手に切れて最終製品の歩留りが上がりますが、機械で鰹を切りますと、包丁ですと取り除かない部分も自動で切り落とされ、結果的に形が悪くなります。ヘッドカッターによる大量生産方式が、現在職人が急速に失われつつある要因の一つです。

 

鰹が並べられている
鰹が並べられている
頭を取り除かれているところ
頭を取り除かれているところ

 

3-3-2 ハラモ・内臓取り

 頭を切った後に腹側から機械で自動で包丁を入れて、内臓を取り除いていきます。内臓は煮ると、苦みやえぐみを出しますので、取り除きます。

内臓を取られて並んでいる
内臓を取られて並んでいる

3-3-3 背中側から半身にする

ここで半身にしないまま煮る会社もあれば、包丁を背中側から入れて骨と身を分ける会社もあります。ここでは機械ではなく、包丁を使った場面を説明します。

包丁は鰹の身に対して斜めに入れて、刃先が鰹の背骨に当たった所で、寄り添うように前に出していきますと、包丁が走るように滑らかに切れていきます。少しでも刃先が骨から身の方に動きますと、骨側に沢山の身が付いてしまい、形が悪くなります。

 

包丁が身の中で走っていく
包丁が身の中で走っていく

3-3-4 腹側から包丁を入れる

背中側が終わりましたら、魚をひっくり返し、腹側も同様に包丁を入れていきます。包丁を持たない手で丸い鰹のおなか当たりを抑え、包丁を数センチだけ入れます。その後、鰹を立てかけて、突き刺し一気に包丁を落とし骨と身を分けていきます。

最後にしっぽの部分を切り落とし、右側の身、骨、左側の身と3枚卸が完成します。

腹側に包丁を入れる
腹側に包丁を入れる
包丁を上から振り落とす
包丁を上から振り落とす

 

3-4 煮蒸(しゃじゅく)

鰹の身を煮る工程です。 先ほどの工程で、3枚卸にしないまま鰹を煮る場合は、鰹の側面に切り込みを入れます。鰹の表面が丸みを帯びておりますと、煮て熱がかかった時に体積が膨張し身割れを起こすので、予め切込みを入れておくのです。

煮蒸は通常の鰹で98度ぐらいで90~120分行いますが、それぞれの鰹節屋によって、籠のサイズも変わりますし、鰹のサイズや丸みも違いますので、温度と時間は調整しています。

100度に近い温度帯に冷たい鰹を突然入れれば、「火ぶくれ」が発生する原因になるので、初めは80~85度辺りで鰹を煮釜に入れて、少しずつ温度を上げていきます。

煮え切る状態の確認方法は、一匹を取り出して、身と骨の付いている部分を触ってみたり、少し剥がしてみたりします。上手に取れなければ、煮足りない状態ですし、骨が白色に変化せずに透明な箇所があれば、これも煮足りない状態です。煮すぎますと魚から旨みがお湯に逃げ出しますし、身崩れも起こし始めます。

鰹の脂の載り具合によっても温度を少し調整する事があります。脂が多いと温度を少し下げ、少し長めに煮詰めます。この後に骨取りという工程が有るのですが、その際に鰹の脂が多いと身崩れを起こすので、少しだけ長めに煮込み、素早く身と骨が剥がれようにするのです。

煮蒸(しゃじゅく)している所

3-5 骨取り

鰹の身には七枚骨と呼ばれる骨が付いております。それを専用の毛抜きのようなもので一本一本抜いていきます。焼津では「水骨」と言いまして、水槽の中に鰹の身を浮かせながら骨を抜いていきます。九州の枕崎・山川では「おかぼね」と言いまして、水槽を使わずに赤ちゃんを手で抱える用な形で鰹を抱えて骨を抜いていきます。

鰹の骨は直線ではなく体に沿って流線形の形をしていますので、骨を抜く際も弧を描く様に抜いていかないと、身崩れを起こします。この際に身崩れを起こしたものは「キズ物」と称され、商品価値が下がります。骨は全部抜かないといけません。次工程の焙燻(ばいかん)で鰹が収縮していくのですが、鰹と身は収縮率が違う為、骨が残っていますと身割れを起こすのです。

 

水の中で鰹節を浮かせる
水の中で鰹節を浮かせる
骨を取り除く
骨を取り除く

3-6 焙燻(ばいかん)

鰹の身を燻製にしていきます。業界では「火入れ(ひいれ)」とも言います。香り付けと共に、鰹の水分を飛ばしていく行程です。

3-6-1 薪

使用する薪はナラやクヌギです。九州の一部ではサクラも使用します。薪の条件としては火力が優しく、じっくりと燃えるものを使用します。切り倒してからすぐに使用するのではなく、半年ほど寝かして薪を枯らしていきます。薪から水分が抜けていきますと薪にヒビが入ります。ヒビが入ったところで使用可能になります。
 

薪にヒビが入っている箇所
薪にヒビが入っている箇所

3-6-2 手火山方式

昔ながらの方式です。「てびやま」と呼びます。日本全国で数軒あるかどうかです。地面に穴を掘り、そこに薪を並べ、火をおこします。その上に鰹節が入った「セイロ」を載せて煙を当てていきます。概ね2時間ほど行うと、鰹の身の表面部分の水分が飛びます。

これを1番火と言います。鰹節屋にもよりますが、1~2日ほど寝かす事により、内部の水分が外側に寄っていき、水分が均一化します。次に2番火を行います。また表面の水分が抜けていきます。また寝かす事により内部の水分が外側に移動し、水分が均一化します。この繰り返しを14~15回程度行い14番火、15番火ぐらいまでを4週間程かけて行う事により、概ね荒節の水分が22%程度になるのです。

この時、骨抜きの時の骨が内部に残っていますと、荒節の水分が抜けていきながら、収縮してきますが、骨が収縮しませんので身割れが起きるのです。温度と時間は会社によって、また鰹のサイズと身の質によって変わりますが、1番火が高く回数を重ねる事に火力は抑え気味になります。

煙を最初の段階で高い温度で当てておかないと、最初の段階では水分が多いので、“ネト”と呼ばれる糸を引くようなものが発生する場合があるのです。

手火山
手火山

3-6-3 急造庫

手火山は大量生産には不向きでした。そこで登場したのが、急造庫(きゅうぞっこ)です。
4階建てのビルを想像してください。1階で火をおこします。2階に荒節が沢山有り、1階から薪をくべて煙を当てます。火が一番強く当たる2階に水分が多い荒節があり、数回煙が当たった後に3階に移ります。

3階でも数回煙に当たり、4階に移り数回ほど煙に当たり完成です。煙が1階から4階の屋上に抜けていくのです。じっくり作る手火山に対して、急いで造るので「きゅうぞっこ」と名付けられました。また手火山の場合、火を興したり、薪を入れるのが、火の上からですので煙が目に当たり、苦労したのですが、急造庫は横からですので、手火山ほど目を傷めません。

なお煙を当てる回数はこちらも概ね14~15回ほどです。なお建物を3階建てにするのか、4階建てにするのか、各鰹節屋によって変わります。

一階で火を起こす
一階で火を起こす
二階から一階を覗いたところ
二階から一階を覗いたところ
最上階から煙を逃がしている
最上階から煙を逃がしている

 3-6-4 焼津式乾燥機

近年では焼津式乾燥機と呼ばれる乾燥機を1~3番火で使用する会社が増えてきました。手火山、急造庫では、煙が荒節に満遍なく行きわたらない状態になっていましたので、頻繁にセイロごとに、位置を左右入れ替えたり、上下を取り替えたりしたのです。焼津式乾燥機は、機械の横で火床を準備して、煙を送風によって送り込みます。庫内で循環しますので煙が回り鰹節により均一に煙が当たるのです。これにより、均一化した荒節が出来上がるようになりました。

焼津式乾燥機
煙が庫内に充満している

3-7 選別

最後にサイズ、脂の乗り具合で荒節を一本一本確認しながら選別をして20kgの段ボール箱に入れて完成です。そして鰹節を削る事を専門にする削り節会社に出荷されます。

綺麗に箱詰めされる荒節
綺麗に箱詰めされる荒節
20kgで全国に出荷
20kgで全国に出荷

まとめ

荒節は鰹節の中でも標準的な鰹節ですが、多くの方にはカビが付いた本枯などが、鰹節のイメージとして定着しており、表面が黒い荒節はあまり出回る事はありません。しかし「花かつお」として親しまれている物ですので、多くの料理に使って、ぜひ美味しさを味わってください。

 

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